< 設計審査:広い間口で設計のチェック | 客観説TQM
  • 古典品質管理からの脱却

設計審査設計審査(DR:design review)とは、ノウハウを豊富に持つ専門家集団(DRチーム)が製品設計や工程設計を審査して、事前に設計の欠陥を是正する活動をいう。

 

設計要因による事故や損失の発生を予防することが目的である。

 

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1. 設計審査チーム(DRチーム)

設計部門による設計品質のアウトプットを完全なものとするには、品質Q・納期D・コストC・安全S・環境保護Eの全てにわたってるため、いかに優秀な系技術者といえども困難である。

 

設計の欠陥は、このように広範囲にわたるため、DRチームは次のような分野に通じた人で構成される。必要なら、協力企業・客先企業・コンサルタント等の外部の人材をも利用することが望ましい。

 

(1) 品質 →製品の性能(機能)、信頼性、保全性、サービス性、人間工学的要素、デザイン

(2) コスト・納期 →生産性、ライフサイクル・コスト

(3) 安全・環境 →周囲へ影響、関連法規

 

〔注〕ライフサイクル・コスト(LCC)

ライフサイクルコスト(Life cycle cost)とは、
・調達・製造(イニシャル・コスト)
・使用・廃棄(ランニング・コスト)
の段階で製品にかかる費用を総合したものをいう。イニシャルコストと、エネルギー費・保全費・改修・更新費などのランニングコストにより構成される。ライフサイクル・コストを低減するために、企画・計画段階から検討する必要がある。

 

企業によってはそのような広範なノウハウを持つDRチームを利用できるとは限らず、その場合は設計審査の効果は貧弱なものにならざるを得ない。しかし、経験豊かで思慮深く細かな点まで検討が及ぶDRチームなら、検討の浅い設計は容易に合格しない。

 

2. FMEAとの違い

設計審査の項目(対象)として信頼性も含まれる。すると、同じく信頼性評価するためのFMEAとの違いは何かという点が問題になる。次の2つの点に違いがある。

 

・FMEA(故障モードと影響の解析)は、設計者も行わねばばならず、その設計者が行ったFMEAをDRチームが審査する関係にある。

 

・FMEAは信頼性(=故障しにくい性質)のみを深く掘り下げる活動であって、設計審査のような広い間口を持たない。従って、FMEAの設計審査は、DRチームの一部の審査員が行えば足りる。

 

(以上)